ヘルシンキには、通りの中央に個別の仕切りが付いたベンチがある。これはデザイン上のミスでも、人を遠ざけるための障壁でもない。個人の空間を尊重するための選択だ。
多くのフィンランド人にとって、見知らぬ人と空間を共有せずに座ることは孤独ではなく、穏やかさである。見られていると感じることなく、本を読んだり、考えたり、ただそこにいたりできること。沈黙が誰も不快にさせない国では、都市の家具でさえ、そのとても独特な共生のあり方を模倣するようになった。

興味深いのは、市が1つの道だけを選ばなかったことだ。数メートル先には、誰かの隣に座って話すよう誘うタイプの、つながったベンチも共存している。ヘルシンキの本当の革命は、1人でいるか誰かといるかを選ぶことではなく、どのベンチでも一人ひとりが決められるようにしたことだった。
