そのトゲはゆっくりと、正確に、まっすぐ彼の手へ向かって伸びていった。専門家によれば、致命傷になり得た傷口まで、わずか数インチしか離れていなかった。

その若い男性は、カメラの前で毒を持つアカエイを自信ありげに持ち上げ、どうやらただのSNS向け動画を撮っているつもりだった。彼が考慮していなかったのは、アカエイは危険を感じると防御機構として尾のトゲを繰り出すということ、そしてまさにそれが起きたということだ。動画には、その棘が若い男性の手に向かって動く決定的な瞬間が映っているが、彼自身は何が起ころうとしているのかまったく気づいていない。

アカエイの毒は組織に即座に作用し、トゲが重要な部位を貫けば、重度の壊死や心停止を引き起こす可能性がある。最もよく知られている事例は、2006年に心臓へ直接一撃を受けて死亡した博物学者スティーブ・アーウィンのケースだ。この若い男性はそこまで不運ではなかったが、この動画は、無謀さと取り返しのつかない悲劇とを隔てる距離がわずか数インチであることの証拠として残った。
