メスット・ハンチェルは、娘が眠っていた建物へと走って向かった。
2023年2月6日午前4時、マグニチュード7,8の地震がトルコ南東部を二つに分断した。

15歳のイルマクは、建物が崩壊したとき、カフラマンマラシュの祖母の家で眠っていた。メスットは素手でコンクリートの塊を持ち上げようとした。しかし、できなかった。彼が触れることができたのは、瓦礫の中から突き出ていた彼女の手だけだった。

彼はそこにとどまった。雨の中、寒さの中で、丸一日以上にわたり、もはや何も変えることのない救助を待ちながら、娘の指を握り、撫で続けた。

翌日、写真家のアデム・アルタンは、廃墟の中に一人で座っている彼を見つけた。メスットは彼を手招きし、写真を撮ってほしいと頼んだ。

その写真は世界中を駆け巡った。その朝、メスットは母親、きょうだいたち、そして姪や甥も失った。

数週間後、アンカラの新しい家で、彼はイルマクが天使の翼をまとい、自分の隣にいる姿を描いた絵を壁に掛けた。
