スカーレットは声も出さなかった。ただ、誰かが前足を握ってくれることを願い、何度も何度もケージの扉の隙間から前足を差し出していた。

彼女は米国の動物保護施設にいて、骨が浮き出るほど痩せていた。廊下の方へ何度も前足を伸ばすうちに、その前足は切り傷だらけになった。動物福祉ボランティアのケルシー・マクドノーは、ケージの扉に腕を置いたとき、その傷が小さな犬が寄りかかっていた縁とぴったり重なることに気づいた。彼女は犬たちに付き添うためだけに施設を訪れていたが、その光景に言葉を失い、記録してTikTokに投稿することにした。
その動画は拡散され、カリフォルニア州サンディエゴ在住のコリーンの目に留まった。彼女は動画を夫に見せた。夫は迷わず言った。「この子を迎えよう」。その日のうちに、2人は車に乗り込んだ。
コリーンが初めてスカーレットをお風呂に入れたとき、手のひらに小さな骨が当たるのを感じた。それからは食べ物と世話、そして愛情が与えられた。体重が増えるにつれて、彼女の個性が表れてきた。優しく、陽気で、愛情深い。「本当に奇跡が起きたんです」とケルシーは語った。誰にも気に留められなかった小さな犬には今、家で待つ家族がいる。
