2001年9月11日の同時多発テロといえば、世界の人々が思い出すのは空のことだ。飛行機、煙、ツインタワー。しかし、その下の通りにも、目にすべきものがあった。


あの日、何が起きているのか、その出来事がどれほど大きなものになるのかも知らずに、何十人ものフォトジャーナリストがワールドトレードセンターへと走った。その中には、New York Postのカメラマン、ボリバル・アレジャーノと、New York Daily Newsのトッド・メイゼルがいた。彼らが撮影した写真は、写真史の一部となった。しかし、その中の1枚は見る者の背筋を凍らせ、今も米国議会図書館に所蔵されている。
数分間、トッド・メイゼルは空を見上げるのをやめ、通りに落ちたものに目を向けた。そのとき彼は、たばこの吸い殻やチョコレートのかけらに交じって、切断された手を目にした。

「飛行機に乗っていた全員を表していると感じました」とメイゼルは言う。「それは誰のものとも分からない手でした。それは、誰かを単なる人間以上の何者でもないと示すものでした」。
あの日、トッドはツインタワーの崩壊を目にしなかった。もし目にしていたら、命を落としていただろう。インタビューで彼は、走って逃げるのに残された時間はわずか7秒か8秒だったと語った。脚を負傷したものの、彼の写真は、そこから逃げ出せなかった人々の痕跡を非常に生々しい形で捉えていた。
