その一瞬、彼女は童話のお姫様のようではなく、ただすっかり疲れ切った20歳の女性に見えた。
この写真は1981年11月4日、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で開かれた祝賀会で撮影された。ダイアナはチャールズ皇太子と出席し、イベントの最中、座席で数分間眠ってしまった。

写真家のティム・グラハムはまさにその瞬間を捉え、その写真は間もなくイギリスの新聞に掲載された。その光景から、一部のメディアは彼女を「「眠れる森の美女」」と呼び始めた。
まだ公には知られていなかったが、ダイアナは第1子を妊娠していた。翌日、バッキンガム宮殿は、数か月後にウィリアム王子となる子どもを王妃が妊娠していると発表した。
彼女の疲れは過密な日程の後に訪れたものでもあった。ウェールズへの王室訪問を終えたばかりで、その同じ日には議会開会式にも出席していた。結婚してまだ数か月しかたっておらず、公務やカメラ、絶え間ない注目に満ちた生活に、まだ慣れている最中だった。
この写真が記憶に残るようになったのは、ドレスや王冠、そしてあらゆる式典の向こうに、もっと素朴な姿が写し出されていたからだ。もうこれ以上起きていられなかった、妊娠中の若い女性の姿である。
